ファクタリング種類解説
「売掛金をすぐに現金化したいが、取引先には知られたくない」──そんなときに便利なのが2社間ファクタリングです。名前はよく聞くものの、3社間ファクタリングとの違いやメリット・デメリットを正確に把握できていない方も多いのではないでしょうか。本稿では2社間ファクタリングの仕組みから注意点までを、わかりやすくまとめます。
1.2社間ファクタリングとは
➜ 契約者(売掛債権の保有者)とファクタリング会社の “2社だけ” で売掛債権を譲渡する方式。
- 売掛先への連絡・同意は不要。
- 申込~入金までがスピーディーで、最短即日も可能。
2.3社間ファクタリングとの違い
➜ 3社間は「契約者+ファクタリング会社+売掛先」の3者で実施。
- 売掛先が譲渡を承諾するため回収リスクが低い。
- その分、手数料は安いが手間と時間がかかり即日は難しい。
3.2社間ファクタリングのメリット
3-1.売掛先への連絡が不要
→ 資金繰り難を知られずに済む/取引関係への影響を回避。
3-2.申し込みから現金化までが早い
→ 売掛先確認の工程がないため、最短数時間で入金可能。
3-3.審査ハードルが比較的低い
→ 銀行融資と異なり赤字や税金滞納があっても通るケースあり。
4.2社間ファクタリングのデメリット
4-1.手数料が高め(相場10〜30%)
→ 売掛先確認がない分、未回収リスクが上乗せされる。
4-2.悪徳業者リスク
→ 「審査不要・即日」を強調する業者に闇金紛いが散見。
4-3.資金繰り依存の危険
→ 高手数料ゆえ常用すると利益を圧迫し財務体質を悪化させる。
5.違法性はある?
➜ 2社間ファクタリング自体は民法で認められた債権譲渡。
- 売掛先の許可は法律上不要。
- 経産省も債権流動化を推奨しており、仕組みは合法。
- 違法となるのは「貸金業登録のない高利融資」を行う偽装業者。
6.安全に活用するポイント
6-1.買取率(手数料)の相場を把握する
→ 目安10〜30%。これを大きく超える場合は要警戒。
6-2.登録・実績・口コミを確認
→ 日本ファクタリング協会加盟、取扱高・設立年数が参考。
6-3.契約書を細部までチェック
→ 償還請求権あり/なし、手数料計算方法、違約金条項を確認。
6-4.短期・スポット利用を徹底
→ 常用せず、資金繰り改善策(コスト削減・融資併用等)を並行。
7.まとめ
2社間ファクタリングは「売掛先に知られず迅速に現金化できる」反面、3社間より手数料が高く悪質業者も潜むハイリスク・ハイコストな手法です。メリットとデメリットを冷静に比較し、信頼できる業者でスポット利用する──これが賢い活用法と言えるでしょう。
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